2012年の大掃除

  • 2012年11月29日

こんにちは、タイムです。
早いもので来月はもう12月。年末がやってきます。
年末といえば大掃除です。服部国際特許事務所では、11月のある日に一足早く2012年の大掃除を行いました。所員全員で、担当を決め一斉にとりかかりました。
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今回、数年ぶりに見る場所、開く場所もあり、長年積った埃にまみれていたりこの先使用する見込みの無い物がどっさり出てきました。古い録音機、使っていない印刷機用トナー、古くなった置物、そして大きなガラス板までも。 特許の業務関係では、今では考えられない過去のフロッピーディスク出願発送用の箱もありました(今はインターネットを利用して特許庁に出願します。)。これらすべて今では使用しない機械遺産を含む大量の不要品を廃棄し、すっきり爽やかな気分になりました。これぞ職場の断捨離(だんしゃり)です。
所内に置かれた植木も一部入れ替えました。所内に新たに仲間入りした数個の若い青緑色の観葉植物は、大きく育つのが楽しみです。
長年気になってはいても手を付けることができなかった箇所の整理に着手でき、少し早いのですが、新たな気持ちで良い年を迎えられそうです。
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技術の進歩

  • 2012年11月19日

 こんにちは。ヒロです。

 2か月ほど前、待望の第1子が誕生しました。娘はとても小さく産まれたのでたいへん心配しましたが、そんな親の心配をよそに、母乳やミルクをよく飲み、すくすく育ってくれています。仕事から帰宅した後は、ミルクを飲ませたり、オムツを替えたり、抱っこしたり、寝かし付けたり、夜泣きで起こされたりと大変です。、娘の表情や仕草の一つ一つが可愛く、疲れながらも癒される毎日です。日々成長する娘の姿を、離れて暮らす実家の両親に見せてあげたい。そう思っていたところ、先日iPad miniが発売されたため早速購入し、実家に設置しました。

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 iPad miniなどのiOS製品には、Facetimeというビデオ通話機能が搭載されています。実家のiPad miniと当方のiPhoneとの間でビデオ通話をすることによって、娘の姿や声(今のところ泣き声のみ)をいつでも両親に伝えることができます。使い方はとても簡単。Facetimeアプリを起動し、通話相手の名前をタップするだけです。また、音声認識機能を備えているので、端末に向かって「○○(通話相手の名前)にFacetime」と話しかけるだけでもOKです。

 画面に映る映像はHD画質のため鮮明で、音声の遅延や雑音は一切無く、まるで互いが同じ場所に居て話しているかのようです。カメラ技術、通信技術、雑音処理技術等の進歩の賜ですね。7.9インチの画面で孫の顔を細かいところまではっきりと、リアルタイムに見ることができ両親も大喜びです。技術の進歩に驚くとともに開発者や製品メーカーに対し感謝の気持ちが湧いてきます。

 iPadやiPhoneのような精密機器には、非常に多くの特許技術が使われています。新しい技術の開発、特許の取得は、企業にとって大きな利益をもたらし、特許技術を用いた製品を手にした人達の暮らしを豊かで楽しいものにしてくれます。

特許法は「発明を奨励し、産業の発達に寄与すること」を目的に制定されています。特許制度が続く限り、世の中の技術は今後も益々進歩していくでしょう。10年後、20年後、娘が大きくなる頃には、今では想像もできない技術が登場し、それが当たり前に使われるようになっているかもしれません。特許業界に携わる人間として、また、子をもつ親として、新技術が人々の暮らしを良くするために用いられ、誰もが住みよい世の中になっていくことを願っています。


参考:Facetime
https://www.apple.com/jp/ios/facetime/
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仕事の話 ~異国文化が言語に与える影響について~

  • 2012年11月14日

こんにちは。ジンです。

 私は、特許事務所の外内の担当として、外国から日本に申請される特許出願、実用新案出願等に関係した処理をしています。案件それぞれが新しい分野なので、楽しいところもありますが、悩みもあります。悩みというのは、「中国人として中国語がだんだん分かり難くなってきている」ということです。
 「あれ!」と、みなさんびっくりするかもしれませんが、その理由について説明します。

 理由1:他国の言葉をそのまま使うので、文章の意味が分かり難くなります。

 例えば、「一種流體致溫及泵動二次流體作回流之建物」。
 これは、明細書中の言葉ですが、文章の中で「致温」、「建物」等の言葉があります。「建物」は、明らかな日本語で、中国語(または台湾語)の辞書にはない言葉です。建物を意味する中国語は「建築物」です。また、「致冷」、「致热」等の言葉はありますが、「致溫」という言葉はありません。

 理由2:他国の言葉をそのまま使うなら、文章の意味を何となく推測できますが、異国の文法まで混ざるので、文章の意味がさらに分かり難くなります。

 例えば、「自动挡开车犯困真要命」。
 これは、最近、友達のブログに書かれた文章ですが、訳してみると、「オートマチック(が?)車を運転するとき眠くなると本当に危ない」となります。おそらく、オートマチックの車を運転するとき眠くなると本当に危ないという意味ですが、目的語である「車」を修飾する「オートマチック」が述語の前に来たので、「オートマチック」が主語じゃないかという違和感が生じます。中国語では、「主語-述語-目的語」という順が原則なので、正しいのは「开自动挡的车犯困真要命」でしょう。

 理由3:文法の乱れよりも恐ろしいのは、論理の乱れです。

 例えば、「對角線作為最大圓形面積之直徑長」。
 これは、特許請求の範囲中の言葉ですが、訳してみると、「対角線を最大円形面積の直径の長さとする」となります。「対角線」を「直径の長さ」とすることは不自然な表現で、「対角線の長さを直径の長さとする」が正しいです。また、「圓形面積之直徑(円形面積の直径)」という表現は不自然な表現であり、「円形の直径」のほうが正しいでしょう。

 文化が融合する現象は、歴史を通じて生じています。皆さんがご存じのとおり、日本語の中には昔からたくさんの漢字が使われています。逆に、近代に入ってから、中国語の中にはたくさんの日本語が使われています。例えば、経済、科学、商業、幹部、健康、社会主義、資本主義・・・等の言葉は中国で生み出された言葉ではなく、日本語が語源です。これらの日本語外来語により、西洋文化が中国で広まりました。

 異国文化との融合は、自国文化の発展を促進することができますが、自国文化の根幹をいじらないことが原則です。自国文化と異国文化を区別せずに乱用すると、自国文化の乱れが生じ、その乱れが広がると、文化の災難になります。

このように、 海外からの仕事は、悩みも大きいですが、たいへん勉強になり、やりがいもあります。


参考:
現代中国語の中の日本語外来語
http://www.kotono8.com/wiki/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%80%8C%E5%A4%96%E6%9D%A5%E8%AA%9E%E3%80%8D%E5%95%8F%E9%A1%8C

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海外からのお客様

  • 2012年11月05日

こんにちは、譲渡証書です。

先日、海外の特許事務所からお客様がいらっしゃいました。どんな模様だったか簡単にレポートしたいと思います。

いらしたのは、若手弁理士2名。海外、特にヨーロッパにおける特許出願に関するプレゼンをしてくださいました。異なる国々が集まるヨーロッパならではの苦労や面白味。

そのなかで、ひとつご紹介しましょう。

例えば、ヨーロッパで特許出願する上で、まず考えるのが以下の2つの選択肢なのですが、どちらを選ばれますか?

①EP特許出願 (特許になると、加盟国すべてで有効な権利となる)

②国別出願 (その国でしか有効ではない)

特許を取りたい国が複数ある場合、普通なら①がよさそうって思いますよね。
ただ、費用の面から考えると、そうとも言いきれません。

①は、おおむね手数料が高めなので、弁理士手数料などを考慮しないで考えると、②でイギリス・ドイツ両方出願したときよりも、①の方が高くなってしまうのが現実だとか…。よって、案件によっては、的を絞って出願するのも賢明な選択となりえるのです。個々の案件で様々な事情があるので、迷ったら専門家に相談するのが一番ですよ。

さて、プレゼンを終えたら会食です。海外の弁理士制度や異なる国々と仕事をする大変な点、やりがいなどのお話しをしました。その後、名古屋城まで見送り、解散となりました。日々Eメールでしかやり取りしない海外のお客様ですので、実際に会ってお話しするのはうれしいものですね。これからもひとつひとつのメールにより心をこめようと気持ちを新たにした譲渡証書でした。
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