「はやぶさ」の翼

  • 2012年03月05日

 こんにちは、SHOです。

 この1年間で4作品の同じ主人公を扱った映画が上映されています。その映画の主人公は、7年間の宇宙の旅を終え、昨年6月に地球に帰還して大変な話題となっている惑星探査機「はやぶさ」です。

 宇宙を長期間飛び回った「はやぶさ」の推進源となる翼に興味を持った私は、推進器である「イオンエンジン」について出願されている特許からいろいろと調べてみました。(原理は多くのところで紹介されていますが、惑星探査機ならではの推進器であることがよくわかります。)

  特許庁で公開されている特許および実用新案のうち発明の名称に「イオンエンジン」を含むものは61件でした。これらの発明の目的は、高出力化もさることながら、長期間宇宙を航行するための長寿命化、低燃費化も多いようです。いろいろな種類のイオンエンジンが開発されているのですが、過去にどんどん遡っていくと、1976年5月4日出願日の特開昭52-133776がありました。かなり古くから開発されている技術であることがわかります。もう少し調べてみますと、NASAが1964年6月にイオンエンジン(英語では「ion propulsion engine」)を搭載した実験衛星SERT Iを打ち上げていました。(http://www.grc.nasa.gov/WWW/ion/past/60s/sert1.htm、推進器本体の写真もあります)そこで、USPTOで調べると、1961年3月5日に出願された米国特許3263415がありました。こちらは、高出力化を目的とした発明ですが、図面を見ると隔世の感が伺えます。イオンエンジンは、長期にわたる開発後、10年ほど前に実用化され、近年では長期間宇宙空間に滞在する商用衛星に多く使われ始めています。

 現在、開発が始まっている後継機「はやぶさ2」は2014年打ち上げ予定とのこと。特許出願された発明の「進化した翼」で、はやぶさに負けない成果をあげてくれることを期待しています。

This article has 1 comments

  1. 匿名

    はやぶさの記事、興味深く読ませていただきました。先日、映画「はやぶさ遥かなる帰還」を鑑賞しました。イオンエンジンの技術者の方々の葛藤や努力が描かれていて、胸が熱くなりました。特許ひとつひとつに、きっと色々なドラマがあるのでしょうね!

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