生命の回数券

  • 2017年04月17日

 こんにちは。SHOです。

 

 先日、国立社会保障人口問題研究所が日本の人口推移に関する予測結果を公表しました。これによると、日本人の平均寿命は、2065年には、男性84.95年まで、女性91.35年まで延びるそうです。平均寿命に関しては、アメリカの研究チームが、100歳以上の人たちの寿命が延びるペースは減速しつつあり、少なくとも過去20年の間に最高年齢の水準が一定になりつつあることを報告しています。確かに、人類史上最も長生きしたフランス人の女性の記録(122年と164日)は、直近の20年間で更新されておらず、人間の寿命に上限があるようにも思えます。そこで、寿命と関連がある細胞の老化度を示す指標として研究が行われている「テロメア」を調べてみました。

 

 テロメアとは、細胞の生成において遺伝情報の発現と伝達とを担う染色体の末端部にある構造です(参考:wikipedia)。遺伝情報を保護するテロメアは、細胞が分裂するときに他の部分と同じように複製されますが、完全に複製することはできません。このため、テロメアは、細胞分裂を重ねる度に徐々に短くなりいずれなくなってしまいます。テロメアがなくなってしまうと、分裂をすることができなくなるため細胞は死滅するとされています。

 テロメアに関する研究で2009年のノーベル医学生理学賞を受書したブラックバーン教授は、テロメアを靴ひもの先端にある留め具に例えるそうです。留め具がなくなると靴ひもの糸がバラバラにほどけてしまってその靴ひもは役に立たなくなるのと同じように、テロメアがなくなると染色体が役立たなくなり、その結果、正常な細胞分裂が行われなくなると理解できます。

 

 テロメアは、「生命の回数券」と言われています。この回数券を使用できる回数は、生物の種類によって決まっています。例えば、人間は、50回程度となっています。しかしながら、テロメア領域を伸長する方法(特許第3814728号:大幸薬品株式会社)や、細胞寿命延長剤及びテロメアーゼ活性剤(特開2012-087068:株式会社資生堂)など、使える回数を増やす取り組みも行われています。また、テロメアの長さを決定することによって死亡の危険性を予測する方法(特許第5686493号:米国ユタ大学)や、無限に増殖するがん細胞とテロメアとの関係に着目した抗がん剤としてのテロメラーゼ阻害剤(特許5476451号:東京農工大学)などテロメアに着目した研究もなされています。

 

 カリフォルニア大学によると、低脂肪な食事に変更し週5回以上の有酸素運動を5年間続けた人たちのグループのテロメアは、何もしなかった人たちのグループのテロメアに比べ長さが長くなったそうです。生活習慣を改善することでテロメアを長くし、細胞の老化を抑制することができるようです。

 ちなみに、座っている時間が短い人ほどテロメアが長いという研究結果も報告されています。明細書を作成する私の仕事は、座っている時間が長くなりがちです。座っている時間を少しでも短くできるよう仕事を効率よく進めることを心がけていきたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です