流行語と商標出願

  • 2013年11月29日

今年も早いもので師走も目前。年末恒例の流行語大賞の季節ですね。
去る11月20日に2013年ユーキャン新語・流行語大賞の候補語50語が発表されました。この中から大賞・トップテンが選ばれ12月2日に発表される予定です。

今年の流行語は?と問われれば、「今でしょ」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「お・も・て・な・し」「アベノミクス」などなど…、今年は激戦になりそうですね。
候補語は、自由国民社出版の「現代用語の基礎知識」の最新版より選ばれています。今年は流行語大賞が30周年を迎えるということで、今年発売された最新版に、別冊付録「流行語大賞30周年」が付いているそうです。30年前の流行語、さて、どんなものがあったでしょうか。流行語とともに当時の世相を思い返すと感慨深いものがありますね。
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ハイブリッドで宇宙へ

  • 2013年11月21日

 こんにちは。SHOです。
 先日、イプシロンロケットの打ち上げが成功しましたね。2013年8月27日には打ち上げ19秒前にカウントダウンを停止し、たいへんやきもきしましたが、9月14日に無事打ち上げられ人工衛星の軌道投入も成功しました。この成功により日本において低価格で人工衛星を打ち上げることが可能となり、宇宙をさらに身近に感じることが増えていきそうな予感です。

 宇宙空間を進むロケットは、自らの質量の一部である推進剤を進行方向とは反対方向に射出しその反作用で推力を得る必要があります。ロケットエンジンの一つである化学ロケットエンジンは、推進剤として燃料と酸化剤とを搭載し、燃料を燃焼させることによって発生する高圧のガスを射出します。日本が世界に誇るH-IIAロケットは、液体水素と液体酸素とを推進剤とする液体燃料ロケットです。一方、イプシロンロケットは、ブタジエンや過塩素酸アンモニウムにアルミニウムを加えた固体を推進剤とする固体燃料ロケットです。(以前、このブログにて紹介しました小惑星探査機「はやぶさ」(https://www.hattori.asia/bkups/blog/2012/03/post-37.html)は、キセノンイオンを推進剤とする電気ロケットに分類されます)
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鰹節と食文化

  • 2013年11月14日

 和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しとなり、2013年12月にも登録されることになりそうです。

 和食の基本は、自然のうまみ成分を活かした出汁(ダシ)と思います。代表的なものは、昆布・鰹節・椎茸ですが、中でも鰹節が一番身近に感じます。昔は、鰹節は、鰹節削り器で削っていたものです。私も幼いころよく削ったものです。今から思うと、削りたての鰹節は、パックのものとは比べ物にならないコクと香りにあふれていました。
      
 現代人は、手軽に調味料を得て毎回鰹節を削る時間を省く代わりに、香り高い本来の鰹節を味わう機会を失っているような気がします。

 鰹節を食する場合の定番といえば、お好み焼きやおひたしを思い浮かべます。他にも、サラダや和風パスタにかけたり、炒め物に入れたり、と用途は多く考えられ、とりわけポン酢との相性は、抜群です。

 今回の無形文化遺産登録で、海外に和食の良さを発信する機会が増えるのは元より、国内でも和食への注目が集まり、鰹節等含めた日本の食文化の良さを改めて感じることができることに期待しています。タイムでした。

131112-02.jpg●鰹節は、地域団体商標としても登録されています。
「焼津鰹節」商標登録第5008903号
登録日:平成18年12月8日
権利者:焼津鰹節水産加工業協同組合
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臭いの少ないゴム風船

  • 2013年11月11日

 こんにちは。ヒロです。

 先日、薬局で見かけたゴム風船が気になり購入してみました。パッケージには、「世界で初めての新素材」、「環境にやさしく お肌にやさしい」、「ゴムの臭いが大幅に軽減されました」等と書かれています。

 何年か振りにゴム風船を膨らませてみましたが、しなやかで柔らかく、膨らませやすいと感じました。ゴム風船特有の臭いはほとんどありません。なんとなく、色も鮮やかに見えます。
131111-01.jpg 131111-02.jpg  
 パッケージの下部に「PAT」と表記があったので特許を取得しているのかな?と思い、製造会社をキーにしてIPDLで調べてみたところ、対応すると思われる特許を見つけました(「特許3806317号公報」)。この発明の課題は、「伸びが大きく、弾性が高く、かつ被膜の強さが強いという天然ゴムの特性を損なうことなしに、色の濁りやゴム臭、アレルギーを誘発する可能性などを極力、排除し、しかも息を吹き込んで膨らます際にこれまでより簡単に膨らますことのできるゴム風船を提供することにある。」となっています。

 この特許公報によると、ゴム風船の原料である天然ゴムラテックスに含まれるタンパク質は、抗原として作用しアレルギーを引き起こすおそれがあるとか。今回購入した風船のパッケージには「タンパク質をほとんど分解除去した天然ゴム風船」と書かれているので、子供がさわったりなめたりしても安心です。

 このような子供向け玩具の世界でも特許が活躍しているのですね。この会社は、上で紹介した特許以外にも風船に関する特許を数件取得しているようです。これらの特許を使った他の商品も購入してみたくなりました。
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翻訳の話 ~訳は役に立たないと?~

  • 2013年11月05日

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 こんにちは。ジンです。
 グロバール化する世界の中で、翻訳は、国と国、および文化と文化の架橋となります。特に、特許に関する文献の翻訳は、世の中にこれまで無かった新しい表現がされています。そのため内容に意味の取り違えが少なからず生じるリスクがあるため、専門性の高い質が要求されます。
 ここに、誤訳となって役に立たなくなってしまった翻訳例(中国のある翻訳会社がサンプルとしてネットに掲示したもの)を見てみましょう。
 例1:原文:「IPU5は、撮像画像に基づいてミラーを検出し、検出したミラー内に映し出された物体の移動を認識する。」
    訳文:「IPU5基于拍摄的图像来检测反射镜,并对检测出的反射镜内所映出的物体的移动进行识别。」
 訳文では、日本語の「検出」が中国語の「检测(日本語:検査および測定)」に翻訳されています。しかしながら、日本語の「ミラーを検出する」は、中国語で「检测反射镜(日本語:ミラーを検査および測定する)」という意味でしょうか?日本語の「ミラーを検出する」の中で「ミラー」は検出対象であり、中国語の「检测反射镜(日本語:ミラーを検査および測定する)」の中で「反射镜(日本語:ミラー)」は検査および測定の対象となります。よって、「检测反射镜」を日本語に翻訳すると「ミラーを検査および測定する」となります。明らかに意味が異なりますね。
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