X-patent

  • 2017年03月21日

 みなさん、初めまして。ブログデビューのタライです。

 

 現在、アメリカでは年間に約60万件と日本の2倍近い特許出願があります。

 特許大国アメリカで最初に特許出願した人は誰なのでしょう?気になりませんか?

 

 残念ながら1836年にアメリカ特許商標庁は火災にあい、それまでの関係書類が燃えてしまったそうです。そのため1836年以前の特許に関しては詳細がわからなくなり、X-patentと呼ばれています。近年修復作業が進んだ結果、一部については復元されたそうです。幸いその中にアメリカ初の特許出願も含まれていました。

 

 それによると、アメリカの初出願は1790年7月31日です。出願人は、サミュエル ホプキンス。

 発明の名称は、「The making of pot and pearl ash by a new apparatus and process」

「新しい装置とプロセスによるカリウム及び炭酸カリウムの製造」だそうです。

 

 アメリカの特許商標庁から関係書類を閲覧できますが、グーグルパテントでも簡単に閲覧できます。

https://www.google.co.jp/patents/○○

 ○○に、“USX1”と入力すると要約書が見られます【画像1】。

 要約書以外は燃えてしまったのでしょう。

 (番号を入れ替えると他の出願についても書類を閲覧できます。USX50まで確認した限りでは、USX4、USX36、USX46がありました)

 

20170321-01

【画像1】

 

 なお、1790年に出願した人は、サミュエル ホプキンスだけのようです。

 今では毎年60万件出願されるアメリカでも、特許制度ができた初年度は年間たった1件だけだったのですね。

 

 当時、炭酸カリウムは新大陸からの重要な輸出品目でした。アメリカは大森林が広がっているので、木の灰から抽出する炭酸カリウムの製造にはもってこいの状況です。そのため炭酸カリウム製造業は当時のアメリカの産業において大きなウェイトを占めていたようです。となれば、アメリカの最初の特許出願が炭酸カリウムに関するものなのは当然と言えば当然なのでしょう。発明は時代を映す鏡ですね。

 

 なお、余談ですが、私が服部国際特許事務所に入社した要因の一つは、日本の発明について世界に自慢できる素晴らしい特許の出願を多数扱っているからです(^^)/。

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