実用新案でも簡単に権利が守られる ~中国~

  • 2013年07月17日

 こんにちは、ジンです。
 先日、中国の西安で開催された知的財産シンポジウムに参加しましたので、そこから学んだ中国の実用新案制度と特許制度の一部を紹介します。
 実用新案といえば、日本では、無審査で簡単に登録されますが、簡単に権利行使することはできません。しかし、中国では、実用新案の権利行使を簡単に行うことができます。
 中国では、現在、国内技術文献の量を蓄積するために専利出願(特許、実用新案、意匠)を奨励しています。三つの専利出願の中で、出願件数が最も多いのが実用新案です。実用新案は、出願費用が安い、登録所要期間が短いなどの他、特許と同程度の高い実用性を有することが魅力的なところです。①現在、中国では、実用新案権を用いて権利行使を行うとき、実用新案権評価書の請求は不要です。②万が一、実用新案権が無効となったとしても、権利者は、過失による損害賠償をする必要はありません。③実用新案の進歩性の判断基準は特許のそれより低いです。これらが実用新案制度の利用度を高くしている理由と思われます(下記の表1参照)。

表1:
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 参考までに、中国において中国企業が実用新案権を取得し権利行使した実例を一つ紹介します。以下に、時系列で示します。
2006年8月2日:
 正泰がシュナイダ(施耐徳)を温州市中級人民法院に提訴した。
 理由:施耐徳が正泰の97248479.5号実用新案権を侵害した。
2006年8月21日:
 シュナイダが専利復審委員会に97248479.5号実用新案権の無効審判を請求。
2007年4月29日:
 専利復審委員会は、訂正された請求項に基づき、97248479.5号実用新案権を維持する審決
 (第9744号)を下す。
2007年7月18日:
 シュナイダは、上記審決を不服し、審決取消訴訟を提起。
2007年9月26日:
 他方、温州市中級人民法院は、上記審決後に審理を再開し、シュナイダの権利侵害成立を認め、シ
 ュナイダに対し3.3億元の賠償を命ずる判決を下した。
2007年10月9日:
 シュナイダは、この一審判決に不服申立し、浙江省高級人民法院に上訴。
2009年3月26日:
 北京市高級人民法院は、上記審決の審決取消訴訟において、シュナイダの請求が成り立たないと
 棄却判決を下した。
2009年4月15日:
 シュナイダが正泰に1.575億元支払うことで和解。

 このように中国では、考案や発明などの新しいアイデアを権利化するのであれば、実用新案制度を
 利用することも、選択肢ととらえて判断されることが良いでしょう。

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