ある弁理士の仕事
~表現された発明を他者に伝達することの難しさ~

  • 2014年08月29日

こんにちは。おにぎりです。

発明家あるいはイノベーターと呼ばれるアイデアを産み出す人は、普通の人から変人に至るまで様々な個性の持ち主がいるようです。とかく発明家と言われる人は、次から次に新たな考えや構想が思い浮かび、インタビューをしていると発明の内容表現が微妙に変わって来たり、あるいは突然変わったりします。その上、発明家のパーソナリティーも様々であるがゆえに発明の表現も当初の表現と微妙にあるいは大きく変わったりすることが多いです。

弁理士の仕事の一つに、自分が理解した発明を他者に伝える役割があります。

たとえば、外国で完成された発明であると、日本で理解される程度までの表現が必要ですが、日本語であっても外国語であっても、適切な表現に置き換える難度が上がることが多く、表現方法に苦労します。先日も、ある発明家の産出した発明(表現内容)について、その表記した日本語を特許出願するのに適した日本語表現に置き換えていくのに多大な苦労をしました。


思想ともいえる発明を表現することの難しさ、発明者の言葉を他者(審査官)に理解してもらえるように出願前に書き直すことの難しさは、いずれも見えない負荷がかかります。外国語で適切に表現された発明であっても、あるいは外国語で表現された難のある発明であっても、いずれの場合も日本語に翻訳されたとき、その翻訳が適切とは言えない場合は、日本の審査官に発明の理解の過程で迷惑をかけてしまいます。

世界初のアイデアを他者に理解してもらえるように、その表現された日本語をブラッシュアップし、できる限り理解を容易にする表現に置き換えていく仕事は、私たちのもっている実力を存分に発揮する基本的作業の一つとも言えます。

平成26年度改正弁理士法では、弁理士の使命として「知的財産に関する専門家」という言葉が加わりました(改正弁理士法第1条)。これは、ある意味では、日本語による適切な表現、技術の正確な説明、出願様式適格性、知財戦略などにおけるサービスの質を向上するように働くことを期待されていると解釈します。

私たちの仕事は、発明者が表現しようとする緻密な構造をもつ発明について、精度の高い正しい日本語表現を駆使し、発明者および特許出願人等の期待に応えていくことが大切です。

以上

 

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