新幹線を迅速に停めます

  • 2016年06月14日

 こんにちは。SHOです。

 熊本地方を震源とする震度7の地震が発生してからもうすぐ2カ月が経過します。しかしながら、今なお、7000人以上の方々が避難生活を余儀なくされています。この場を借りて、被災された方々にお見舞い申し上げます。

 今回の地震に関する報道では、九州新幹線つばめ(写真1)が脱線した映像をよく見かけます(http://www.asahi.com/special/kumamoto-earthquake/gallery/0415t04.html)。それは、新幹線の脱線が滅多に起こらないことであり、今回の地震を象徴する出来事であるためだと思います。今回の地震による脱線は、1964年に東海道新幹線が営業運転を開始してから3回目の出来事だそうです。今回の地震と同じ震度7が観測された2011年の東日本大震災のときには、営業運転中の27本の新幹線は1本も脱線しませんでした。そこで、今回は、新幹線の地震対策について調べてみました。

写真1

 現在、新幹線の運行管理システムには、鉄道総合技術研究所が開発した地震警報システムが適用されています。この地震警報システムは、地震の初期微動であるP波を検知すると震央方位や震源距離を演算しその演算結果に応じて警報信号を発信します。新幹線の運行管理システムは、この警報信号が発信されると新幹線への電力の供給を停止し、非常ブレーキをかけることによって新幹線を緊急停止します。これにより、大きな揺れが来る前に新幹線を可能な限り減速させ地震による脱線を防止します。
 1992年に東海道新幹線に導入された地震動早期検知警報システム(通称「ユレダス」)は、P波検知後3秒で警報信号を発信していましたが、現在の地震警報システムは、非常ブレーキの作動までを約3秒で行うことができるようになっています。出願人「鉄道総合技術研究所」で出願公開されている特許を検索してみると、列車の振動によるノイズを除去する方法(特開2014-38065号公報)や一つの観測点での検出結果に基づいて警報を出す方法(特開2016-075480号公報)などが出願されています。

 このP波に基づく地震警報システムは、新幹線だけでなくJRの在来線や「♪ピロンピロン♪ピロンピロン」の警報音で知られる緊急地震速報にも利用されています。今年に入ってから、弊所でも揺れが感じられた三重県南東沖を震源とする地震(4月1日)や茨城県南部を震源とする最大震度5弱を記録した地震(5月16日)など日本全国で地震は発生しています。これからも、いつ地震が起きるかしれません。地震検出の精度がさらに向上し、より早く警報が出されることで、少しでも被害が減ることを願ってやみません。

 

緊急地震速報の仕組み(気象庁のHPより)
http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/shikumi/shikumi.html

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